インターネット広告を代行する仕事をいくつか請け負っています。
広告の案をいくつか考えて、クライアントさんに確認していただいてから、出稿することが多いのですが、『もう少しインパクトが欲しいです』という要望をいただくことがあります。
広告にはある程度のインパクトが必要ですが、強ければ強いほど良いかというと、実はそうではありません。実際に試してみればすぐに分かることですが、逆効果になることが多いのです。
広告とウェブページのテンションを揃えよう
広告をクリックして表示されたページから感じるインパクトと、広告のインパクトに温度差があると、人は「あれ?何か違うぞ」と違和感を覚えます。
一旦そういう心理状態になってしまうと、その感情が消えるまでの時間が必要となり、購入というアクションにつなげることが難しくなってしまいます。
広告は、ウェブページのテンションと揃ったものにすると、ユーザーを困惑させずにスムーズにサイトに着地させることができます。
ユーザーは自分の意志で購入を決めたいと思っている。
こんな経験をしたことはないでしょうか?
- テレビショッピングで商品を購入したものの、結局ほとんど使用せず、失敗したなと思ったことがある。
- 営業マンや店員に押されて、つい買ってしまい、後悔したことがある。
多かれ少なかれ誰しもそんな経験があるのではないでしょうか。
そういった経験を重ねると、「後悔はしたくない」「自分で情報を集めて、自分の判断で購入を決めたい」という心理が働くようになります。押し売りされたり、説得されることが苦痛に感じられるようになってきます。
インパクトの強い広告を見ると、反射的に防御のスイッチが入り、押し売りや説得を拒絶するモードに切り替わります。そうなりますと、例え広告をクリックしてサイトに訪れたとしても、成約まで進む可能性は非常に小さなものになってしまいます。
売り込みの強い広告、調子の良い広告、インパクトの強い広告を見たときに、こうした反応が起きやすいので、そういった広告を出稿する際は注意が必要です。
効果測定が大切
ネット広告は、テレビやラジオなどの広告と違って、効果の測定を正確に行なうことができます。費用対効果を数値で計測できますので、広告を出稿後は定期的にチェックを行い、効果の低い広告は取り下げ、成約率の高い広告に費用を振り分けるなどの対応をすることが重要です。
僕が広告を出稿する際、効果が低いと言われているタイプの広告を敢えて出してみて、本当に効果が無いのか試すこともあります。商品によって、特性が変わりますので、セオリーと異なる結果が得られることが往々にしてあるためです。
ライバルと直接的対決となる広告は費用が高騰しがちですが、少し外すことでコストを大幅に抑えることに成功することもあります。
ネット広告は効果を数字で計測できる利点を活かして、様々な方法を試して、費用対効果の良い出稿方法を見つけることが重要だと考えています。